書評:ちきりんさん?伊賀泰代著「生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの」

謎の社会派ブロガーchikirinさん。(通称ちきりん)

めっちゃめっちゃ有名なブロガーさん。
だから、みんな当たり前のように知ってる・・・と思ってたら違った。

3、4年前の話だけど、学生時代の友人に、ちきりんの著書「マーケット感覚を身に付けよう」が面白かったよ! と何の気なしに言ったら、「ちきりん?て誰??」て返されてビビった。

マジか!と思って、その場にいた別の友人に「こいつ、ちきりん知らないねんて!」と援軍を求めたら、「ちきりんてそんなに有名な人なの?」と返されて、さらにビビって鼻がモゲそうになった。

この瞬間に僕は悟った。

自分が、ごくごく当たり前に有名な人だと認識している人が、
学生時代の映画部という、年齢も趣味も、ほぼ一緒の友人が全く知らない。

だからインターネットの世界では超有名でも、テレビのように「誰にでも知ってる」とはならないんだ。。と思ったのと、「結局、人間は自分の見たいモノしか見ない」事をリアルに感じて、すごく勉強になった気がした出来事だった。

さて、でも皆さんはこんなブログ読んでるくらいだから、ちきりんさんは知ってますよね??

でも、まー前述の件があるので、一応説明しておくと、ジャンルとしては雑記系のブロガーですが、主に経済的な話題が多い。

日常のふとした事、皆が見落としているような事を、掘り下げて独自の視点で解決案などを提示してくれます。

平易な文章で、とても読みやすい文体なので、一見誰にでも書けそう・・・に思いますが、なかなかどうして、思考を整理して、それを文章で書く。しかも読んでる人も勉強になって面白いほど洗練されている。

どう隠したって、「文章から 知性があふれ出てる」ので、ブログを読んだ後に皆思うのが、どういった経歴の人なの?って事。

そして、プロフィールを見ても、詳細は不明。

とはいえ、勝間和代さんとも知り合いだったり(しかも勝間さんが敬語だったり)、こんなに出来る女性は限られてるだろって事で、まーだいたいこの人だろうって言われているのが、元マッキンゼーの採用マネージャー「伊賀泰代さん」なんですね。
※あくまで、「ちきりんさん だろう・・」と推定されているだけなので、決して断定ではございません。

さて、やっと伊賀泰代さんの本の感想まできました。

元マッキンゼーの採用マネージャーが書いた本として見るか、社会派ブロガーちきりんさんの別の顔としてみるか?それは人それぞれでしょうが、私はどちらかといえば後者。

ちきりんの本は大抵買って読んでいるので、他の本も読んでみたいな・・と思って手を伸ばしてみました。

しかし、総じて感想は・・・。うーん難しい。いや、内容が難しいのではなくて本の内容を自分に生かして実行するのが難しいだろうな・・と半ばあきらめに近い感じをうけました。

本書はタイトルのとおり、「生産性をいかに上げるか。」を、細かいTIPSとかではなくて、マッキンゼー流の仕事の取り組み方を中心に言及されています。

当然ケーススタディとして、マッキンゼーの話が色々出ててくるのですが・・・・総じてレベル高過ぎです。

生産性を上げるために、どのような教育をするか・・どのような考え方をするか・・というのを本書は教えてくれるのですが、それを実現するためのポテンシャルが、僕を含めてほとんどの人は持っていないような気がします。

それこそ、マッキンゼーという環境だから出来る。優秀な人の集まりだから出来る。そんな風に思えてしまいました。

この本で言っているような「スーパー生産性」のある人って誰だろう?と真っ先に思い浮かんだのは、勝間和代さんでした。

そうです。たぶん、マッキンゼー流の育成術で生産性を向上すれば、勝間さんのようなスーパーサイヤ人的な生産力を身に付けられるんだろうな・・というのは、なんとなく理解できます。

しかし、そもそも僕レベルでは、絶対に若い時に育成術を受けても、勝間さんのようにはなれない・・という自分の才能の限界ってのは痛いほど自分自身で分かってしまっているんですよね・・。

いやー。悲しい。

そんな劣等感 いっぱいの僕が読んでいて辛かったのが、ダメな社員の仕事の進め方。
これがドンピシャで 僕の仕事の進め方に当てはまっているという・・・。

具体的には、資料作成の際に、アウトプットイメージを持たずに、やたら関係のありそうで資料作成には関係の無いな資料を集めて、トピックを読み込んでしまう・・・とか。まさしく僕です。はい。

もう反省しかない。自分が出来損ないのように思えて、読んでいて辛い本でした。
でもそんな私でも、勉強になったところをメモしておきます

仕事の成長というのは生産性を上げる事とイコール。絶えず「生産性を上げる」。結果を求め考え続ける事で成長できる。

ストップウォッチでホワイトカラーの仕事も、すべてのタスクの作業時間を計る事で、仕事の見える化を行う。

資料作成の際には、ブランク資料(プロトタイプ)を先に作成する。ブランク(空白)とは数値の部分。
何もデータを入れてなくても、この数値さえ調べれば、資料の目的を達する事ができる。

要するに結論を出す為には、何のデータが必要なのか、取りかかる前に決定してしまう。そうすることでデータ集めを効率的に出来るようになる。

例えば最初から必要なデータを明確化できていれば、資料も最初から最後まで読み込みする必要がなくなる。

目次をみて、目的に沿う必要がある資料だけを重点的に読み込めば効率がすこぶる良くなる。
ひたすら資料を読み込みしてから、必要なデータはなかったなどというムダはなくなる。

まー、言われてみればそのとおりの事だし、どこかで聞いた事があるやり方だとは思うけど、完璧に実行できるようになるためには、それこそマッキンゼーのような環境で、身体に馴染むまでトレーニングが必要だろうな・・と思った。

「アウトプットイメージを明確に持つ」という一言で説明されていたのが、スッとアタマに入る・腑に落ちる言葉だなと思った。

樺沢塾でも行っているが、インプットしてから アウトプットするのではなくて、アウトプットを想定してインプットする。結局はこれと一緒の事を言っているんだなと感じた。

生産力を上げる。これは簡単なようで本当に難しい。
それこそ、マッキンゼーなどの外資系に就職できる若者は、高い給料をもらって、このような一生モノのスキルを獲得できる機会を得れるのだから、恵まれているとしかいいようがないな。