「英語で一流を育てる」廣津留真理著を読んでの感想。ハーバード合格の娘さん一人を根拠にしなくなった時に期待

「英語で一流を育てる」のプロフィール

廣津留真理(ひろつるまり)さんって誰だ

この本を書いたのは、ブルーマーブル英会話教室(子供対象(年長~高校生?)を大分県でされている 廣津留真理(ひろつるまり)さん。。 娘のすみれさんが、公立高校からハーバード大学に合格した事で、佐藤ママのように教育ママとしてメディア露出も多く注目されている。

amazonの評価は割れまくっていた

★5つの高評価も40%あるが、★3つ以下の低評価も40%ある。評価が真っ二つ。その真偽はいかに。

12歳以下の子供達の為の本格的英語メソッドとは

作者曰く、今まで12歳以下の英語習得メソッドは存在してなかったので、廣津留さんがメソッドを考えたとのこと。それは塾や学校で出来る類いではなくて、家庭で家族一体となって習得出来るモノだそうです。

具体的な幼児英語トレーニング・メソッドを一部抜粋

  • 英文法は一切教えない(英文和訳もしない)
  • 英語=英単語の暗記が9割
  • 英単語の覚え方の極意。英語と日本語を交互に音読。小学1年生で週に100語。六週間で中一レベルの英単語を終える
  • レッスンは1週間に1日75分だけ。毎日やらない(家庭学習は毎日する?)
  • 音読は指でなぞり読みする。
  • 小さい子は書き取りはしない。大きくなったら出来る。
  • 英作文もひたすら暗記。量をおぼえて、記憶しているフレーズを使う。
  • どれだけ覚えているか答え合わせをしない。子供に苦痛を与えない。
  • 「日本語B」の必要性・・日本語Bとは作者の造語で日本語を使って英語の語順や思考慣れる為のモノ

トレーニングのやり方

  • 多少間違えようがどんどん先に進む。
  • 1レッスンで5分~10分の細かいトレーニング。
  • 集中力が切れる1分前に辞めて次に進む。だらだらしない。

個人的な感想・意見

子供を英会話スクールに行かせるよりも効果はありそう

私も二人の幼稚園児の娘を持つ親なので、少しは興味がある程度で読んでみました。
たしかに子供の英会話のトレーニングは、家庭学習でしかできないというのは理解できるし、子供を英会話スクールに週一回1時間程度通わしたところで意味がないのもよくわかります。

家庭学習が全てというスタンスには共感をおぼえました。

メソッドを読んで、なるほどと思った部分

英語=暗記が全て。単純明快に割り切る

「英語の4技能を習得するメソッド」と訴えているんだけど、「英語=暗記が9割」と書いてあるように、考え方(メソッド)としては、記憶しまくるという点に重点を置きまくっている。
私は成人した大人が、英語を習得するには「英文法」を学んで論理的に英語を勉強するのが効率良いと思っているが、逆に子供は論理的な思考を持っていないので、「全て記憶する」事が効率的なのは、むしろ納得できました。

超早期の幼児英語メソッドより現実的だけど・・

早期英語教育をしている教育ママの中には、生まれた時から子供に英語で話しかけたり、幼児期にひたすら英語のビデオを見せているような、英語に盲目すぎるメソッドを実行している人も結構います。

廣津留さんは、超早期英語教育には否定的な意見なようです。
小さい子供はすぐに記憶するけど、同じ程度「すぐに忘れる」ので続けるのは至難の業。結局はいつから始めたことが大切なのではなく、「どうやって継続しているか」が重要だと雑誌のインタビューでお話されていました。

廣津留さんのメソッドも、なかなか大変そうではあるが、超早期の幼児英語教育なんかに比べたら、、現実的に出来そうな部分も多いんだろうな~と思いました。

廣津留メソッドでも、結構な量をさせるが・・

廣津留メソッドが、早期幼児英語教育よりも現実的だとはいっても、遂行するにはかなりの覚悟が必要だと思いました。 とにかく単語を暗記することが大事だと仰っており、1週間で100語覚えるのが基本だとか。さらに英単語だけでなく、英作文もすべて暗記するという「子供の暗記」にかなり頼ったメソッド。
覚えるのが早いからといって、どんどん詰め込んでいって果たして算数などの論理思考の科目まで影響しないのだろうか?とも思いました。

この本の悪いと思ったところ

不必要な情報が多すぎ。編集すれば半分以下になる

評価が割れるのに納得。とにかく読みづらい本だ。なかでも1つの本の中に重複した内容が何度も何度も出てくるのには辟易とした。ブログの記事を寄せ集めて、編集一切なしで出版されたような、そんな本です。
そして、とにかく前置きが長い。前置き、前置きときて、メソッドが来るのか?と思ったら、又 前置きが来るみたいな。第一章は読まなくて良いでしょう。

根拠が薄っぺらい。「ハーバード」ですべて片付けるな

娘さんがハーバード大学に公立高校から現役合格。それは本当に凄いです。でも、それを印籠みたいに使って、すべての正解は「ハーバード」にあるというスタンスはうざい。 読み手からしたら自慢話を延々と聞かされている感じです。 とにかくハーバードというワード出現率が異常に高い。。 普通の本であれば、例えば ハーバードの学生のジョンは・・・ときたら、次は ジョンはで始まるのが普通だと思うのですけれど、この本は個人名は出さずに、ハーバード生は、こうする。そしてハーバード生は、と代名詞がすべて「ハーバード生」で統一されている・・・。。普通の感性の持ち主であれば、本人がそう思ってなくても、自慢話に聞こえてげんなりしてしまう文体です。。

本を読む人が知りたいのは、塾の先生の部分

廣津留さんには2つの顔がある。 娘をハーバードに入れたという、教育ママとの成功の部分と、塾で一般の子供達に教えて結果を残している部分。。僕がこの本に求めるのは、後者の「塾の先生」として多くの子供に英語を教えて実績を残している。メソッド的な部分を知りたいと思って購入しました。 自分の子供にも再現性が高いのは、塾の先生としての顔のほうだから。他の皆さんもそうでしょ?
しかし、編集者の意図的なモノなのか、英語のメソッドと娘のハーバード大の合格が関連付けて語られている。そりゃ少しは関連があるでしょうが、たった1人のサンプルでは信頼性に欠けるでしょう。

まとめ

内容は参考になるが、娘さん自慢は控えめに・・

いろいろ書いてしまいましたが、長年にわたり多くの子供達に英語を教えてこられた経験があるので、他によくある「教育ママが個人の経験談を語っている本」に比べると、内容はあると思います。 ただし、前置きが長く同じ内容が何度も出てくるのと、自慢話っぽい内容が、本の核となるメソッドの部分の信頼性を著しく落としています。そして読後感を非常に悪くしています。

これは廣津留さんを責めている訳ではなくて、本を出した出版社の意図である可能性も高いでしょう。ハーバードを全面的に出した方が売れると思ったのでしょう。
もし本人が書いたのであれば、娘さんの合格で舞い上がってテンション高いときに書いてしまったんでしょう。
夜中に書いたラブレターみたいに、親の愛情が前面に出過ぎになっております。

もう少し落ち着いてから客観的に、そして娘さんの事は控えめに書かれるか、ゴーストライター(代筆者)に書いてもらえば、内容がすっと入って評価も変わるのになーと思った本でした。

繰り返しますが、英語のトレーニングは参考になると思いますので、気になる方は手に取って良いと思います



勉強になる動画

英語学習者は絶対観たほうが良いと思いました(無料でかなりタメになる)。この動画(26分)の続き(無料で2時間あります)はこちら
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